「キタジマタカシ」という名のサブスクリプション

  • ブックマーク
  • Feedly

「中途半端はいらない」

byキタジマタカシ

遡ること、およそ1年前。
このサイトはほぼほ仕上がり、年明け公開に向けて文責でこくーるが必死で中身を埋めておりました。
このサイトは、WordPressテーマ「Snow Monkey」をベースに、テーマの作者キタジマタカシさんに委託する形でなにかとカスタマイズして頂いたり実装して頂いたりしたものです。

別の記事で書きかけてますが、当時のわたしは、ピンスリープ起業時のサイト制作でWordPressに挫折し(何の知識もなかったし、言い訳ですが、いろいろ勉強する時間もなかったです)、htmlとcssの古い知識がある程度の素人の手に追えるようなものだとは思っていませんでした。

現在、一部でいまだに困惑されている(らしい)ブロックエディタの直感的な操作性に加え、その利便性と合理性を高める方向で、ほぼ毎日のように進化しつつあるSnow Monkeyカスタム版を使ってサイト更新を行っていると、あの頃の恐怖感は何だったんだろう、と、いろいろな意味で思います。

ちなみに、弊社サイトの委託制作は、キタジマさん最後の受託作品とのこと、なんだか駆け込みセーフな感慨がありますが(笑)、「委託した→完成した→あとは記事を更新していくだけ」というスタイルとは正反対といってもいいのが、中途半端はいらないSnow Monkeyスタイルなのです。
制作過程を振り返りつつ、そのあたりをまとめてみたいと思います。

お願いしたこと

現在(無事に)公開されている、自社リニューアルサイトの枠組み作成
 …単純に入れ込む文言が最後まで決まらなかった 試行錯誤状態だったため、枠を作成頂いて、同時進行で素材や文言を入れ込むしかなかっただけです。
結果として、操作を習いながらサイト作成を進行できたことで、完成後には基本的なことはどうにかできるようになっていました。思い返せば贅沢な制作期間だったと思います。
キタジマさんの存在を知るまでに、サイト制作業者さん数社さんにお話を伺ったのですが、たいていの業者さんが(コジャレていればいるほど)「全体イメージのディレクションや、キャッチコピーも任せとけ(というより見積もりに最初から入っている)」といったスタンスだったのですが、制作事例を見ると、ちゃんとした企業さんのサイトだらけなんですよね(笑)。しかも、話を聞けば聞くほど、業者内デザイナーさんマターかつ半端に投げそうな予感しかしなかった(笑)。
弊社は弊社らしいサイトを作りたかったので、そうした業者さんに依頼していたら、要望からかけ離れたプロっぽい何かができていたら上等だった状態だろうな、と、思ったりします。

弊社発のゲーム以外のもうひとつのサイトの枠組み作成(いろいろあってまだ非公開なので、内容をぼかしています)
●自社サイトともうひとつのサイトの連携表示(まだ反映されていないです)
 …思えば無茶なことをたくさんお願いしました。

◀︎資料でお渡しした、自社サイトのサイトマップです。

▶︎同、最初期のトップページ案です。現行の形はだいぶ変わっています。

どこが無茶かといえば、赤の矩形で囲った部分の、いわゆる「新着記事」の箇所で、両サイトの新着記事をどちらのサイトの新着記事なのかを明示する形で表示したかったのでした。
しかも、各サイトを別のドメインで運営したかったのでした。
ついでに、事故ると怖いので、メール機能だけは当時使用していた「さくら」のまま、サイトの方は「Xserver」に切り分けたかった。
ちなみに、キタジマさんに相談したところ、「サーバー設定がうまくいけばできますよ」→設定無事完了→「こんな感じでイメージ合ってますか?」と、さらっと実現して下さったという(驚異)。
えーとわたしが自分でやっていたら、たとえ素のSnow Monkeyからでも絶対不可能だったんですが、コミュニティでガリガリカスタムしてらっしゃる皆さん的には楽勝なんでしょか……?
ともかく感動したというか、漠としていただろう要望や質問点から、的確かつ簡潔に対応案や技術的な問題点をほとんど秒で返して下さる(そして素早く実装して下さる)様は、ただただため息ものでした。

Snow Monkeyコミュニティは、サブスクリプション形式を土台に運営されています。後述しますが、わたしは基本的に、「サブスクリプション」という商品提供方式には警戒心がまず働きます。
でも、委託かつ同時進行サイト制作を行っている期間を通じて、Snow Monkey(アレンジ版)はサブスクリプションサービスでこそ活きる、むしろ買い切りでさよならではもったいない!と思うようになりました。
それは、キタジマタカシという、明確なビジョンと緻密さと実直さ、そして熱意に支えられた地道な歩みを続けられるひとりの職人でありクリエイターであり、誠実な事業者でもある方に対する敬意を抱けたからこそなのだと思います。

委託を通じて実装された内容

専門用語わからないすみません。
●ボタン、「最新の投稿」画像、カテゴリの角丸表示
●求人応募ページの応募者限定DLページ(抜け道がいろいろあることに気付いて、結局使いませんでした……。
●会員限定ページ(まだ中身がないので未稼働)←他社では無理と言われた
●カート機能←他社では無理と言われた
●業務実績ページ(ジャンルによってソート)
●別ドメインサイトの新着記事の自動表示←他社では無理と言われた
●画像見開き閲覧ブロック:漫画や絵本のような媒体の掲載を考えています
●第三者によるコピー通知←他社では無意味だと言われた
●その他、思い出せないほどいろいろたくさん

▼見開きで漫画を掲載するやつ(スライダー機能です!)
 *この漫画は、かつて『PC-DIY』連載の最終回として掲載したものです。


ちなみに、キタジマさんをもってしてもできないということで、実装できなかったのは、「縦書き機能」でした。
現在は一部機能において実装されています。なんなのこの進化の速度。

「サブスクリプション」について考えてみた

いわゆる定額制サービスです。
「支払っている間はそのサービスを使えるよ!」というやつで、個人的にはAdobe製品のCC化が一番最初に浮かびました。
わたしは定額制クラウドでAdobe製品のような重要なアプリを利用するのは、いろいろな意味で抵抗があるので、いまだに古いマシンを修理確保したCS版にこだわっています。つまらないこだわりな気もしますが、「仮にAdobeがサービスを停止した時、描きかけの画像どうなるんだろう?」とか、「クラウド上で共有合作など(推奨してるよね)をしている作品は消失または外部からの干渉は受けないんだろうか?」とか、要は、移行に踏み切る程の信用度が自分の中に無いのかもしれません。

「サブスクリプション」という言葉は、最近やたらと耳にするようになりました。動画などの定額制配信サービスまでは、まあわかります。
でも、定額で毎月何か送ってくれる系のサービス(コスメとかに多いっぽい)や、物品レンタル、飲食店の優待利用までいくと、にいちゃん、それ従来の定期購入と何が違うん?って気になるし、わけのわからんビジネス大賞一覧記事を読んでいると、何でもかんでも「サブスクリプション」言いたいだけ違うんだろか?という気になってきます。
もっとわけのわからない解説も目にしたような気もしますが、忘れたのでこの辺で。


そうしたわけで、本サイトがおおよそ完成した1年前、「Snow Monkeyのサブスクリプションサービス移行」について記事を読んだ当初は、あまりイメージが湧かなかったというか、「これどうなんだろう?」と思ったのが正直な感想でした。

その理由の全ては、キタジマさんご本人も記事にて検討されていましたが、
●今まで買い切りモデル+半ばオープンなコミュニティの場だったものが継続課金型になることについてのユーザーの反応は大丈夫か?
(値上がりや有料化が正当なものであっても不当だと感じる一般的な傾向への懸念)
●ビジネスとしての付加価値は既にコミュニティにて存在しているので、どこに継続課金に対する新たな付加価値を定義するのか?
●キタジマさんの公正性ゆえに、ある意味ズルができる余地はありそうだが、それに対する課金を選択したユーザーの反応は?

……など、新参ユーザーながら、勝手に心配したものでした。しかし、タカシはそう甘い人間ではない(byケミさん)。この記事を書いている今日までの1年で、わたしはそれを思い知るのです。

「キタジマタカシ」という名のサブスクリプション

以降は、Snow Monkeyユーザーなら誰もが知っていることになります。言うだけ野暮だった、という話です(笑)。

Snow Monkeyサブスクリプションサービスの付加価値。
●信じがたい頻度のアップデート
●FacebookからSlackに場所を移したコミュニティでの情報交換
 …いろいろ試行錯誤されてましたが、クレクレ厨ではない(そういう人はそもそもいない)きちんとした技術的な質問には、キタジマさんがものすごい素早さで回答してくれます。
同時に、コミュニティ内で詳しい方が、更に情報を下さったり、キタジマさんに問題提起をしたりと、とても良い意味で活発です。
●コミュニティで出た問題提起や要望から、キタジマさんが更にアップデートを行って、さりげに機能が増えたり洗練されたりしていく様子がほとんどライブ感覚。
●キタジマさんを含む(「キタジマさんが仕切る」ではないところに、コミュニティの性質が象徴されているように思います。もちろん気は配られているとは思いますが)コミュニティ内で「Snow Monkey」を軸に様々な試みが行われていて、化学反応を起こしながらそれぞれ前進している。
●キタジマさんがよくおもちゃになっている。

このコミュニティは存在することに価値があるわけではなく、Snow Monkeyと連動して現在進行形で動き続けていることに価値があるわけです。コミュニティをどう活用するかは、人それぞれだと思いますが、少なくとも買い切りでサヨナラだと、この躍動感(?)は味わえません(笑)。

大真面目な話ですが、業務に直結したコミュニティであっても、各人が積極的に他のメンバーと関わり、互いに前進させ合うことは非常に難しい。業務を通じてそれを痛感しています。
だからこそ、こうして機能している交流は稀有で貴重なもので、それはキタジマタカシという人物が軸であるからこそ成立していると思うのです。

めちゃくちゃ最後に。

この記事は、キタジマさんが毎年末に1年を振り返るアドベントカレンダー企画の参加記事として、自身の業務姿勢を振り返りつつ書いたものです。

サイトリニューアルという大命題をきっかけに、わたしの世界は間違いなく広がったと思います。
ここからWordPressを学ぼうという意欲。コミュニティの在り方の考察と試行錯誤。
多くのことを学ばせて頂いているなあ(楽しい素敵な方々との交流も生まれたなあ)、と、改めて感謝を込めて。

ブランドブックは手を抜かないからね!

文責:でこくーる

この記事を書いた人

pinsleep

株式会社ピンスリープです。対人スキルが非常に低い会社ですが、受託業務においては、必要とされる要件にプラスαの楽しさとクオリティを乗せることを、徹底的にこだわっています。